
PERFORMANCE 2016.09.08
今、イチ押しのスポーツタイヤ ピレリ・ディアブロ ロッソⅢ

written by 伊丹 孝裕

ピレリからリリースされているスポーツハイグリップタイヤ「ディアブロ ロッソⅢ」の万能っぷりがなかなか凄い。そのインプレッションをお届けしよう。
グリップ力もさることながら ライフの長さに驚き!
今年デビューしたピレリの新型タイヤがディアブロ ロッソⅢです。これがどういうタイヤかと言えば、いわゆるスポーツハイグリップタイヤ。ワインディングをスポーティに走り、サーキットでスロットルを全開にするのもバッチコイ。そんな頼れる新製品というわけです。
ちなみに同社のラインナップ中、グリップ力を基準にランクづけするならロッソⅢは上から3番目。限りなくレース用タイヤに近いスーパーコルサSPを頂点とし、以下ロッソコルサ、ロッソⅢ、ロッソⅡ、エンジェルST・・・というのが現在のポジショニングで、スポーツバイク向けの主力タイヤと言ってもいいでしょう。
その開発コンセプトはズバリ“NEXT LEVEL”。つまり、あらゆる項目で既存の製品はもちろん、他社のライバル製品も凌駕することが掲げられたわけですが実際その通り。
ロッソⅡの性能を大きく上回ることはもちろん、グリップ力に関しては実のところロッソコルサの領域か、それ以上にレベルに到達。なのにハイグリップタイヤ特有の重さや気難しさがなく、キビキビとしたフロントタイヤの回頭性の良さが印象的でした。
一方、リヤタイヤはちょっとやそっとではビクともしない安定性を見せ、試乗車に備わるトラクションコントロールもめったなことでは介入しませんでした。つまり、それだけ路面をしっかり捉えてくれていたということですね。
実は期せずして雨にもたたられ、路面にウェットパッチが残る状態でもテストできましたが、そうしたコンディションでも接地感に不安がなかったことも報告しておくべきしょう。
ところで、今回最も驚かされたのが耐摩耗性でした。というのも、こういったカテゴリーのタイヤは高いグリップ力と引き換えにタイヤの交換頻度も高くなるのは致し方ないところ。なのに、酷暑のサーキットを丸一日走行した後にもかかわらず、表面はサラリときれいで摩耗も最小限。グリップ力よし、ウェット性能よし、ライフよしのマルチ性能っぷりは現在市販されているタイヤの中、ベストなものだと思います。
ワインディングをメインに走り、年に数回はサーキットへ。そんなライダーなら選んで失敗のないタイヤとしておすすめできます。
PIRELLI DIABLO ROSSⅢ
サイズ一覧
フロント
110/70ZR17
120/60ZR17
120/70ZR17
リヤ
150/60ZR17
160/60ZR17
180/55ZR17
180/60ZR17
190/50ZR17
190/55ZR17
200/55ZR17
走行後のトレッド面。サーキットを約5時間、しかもかなりのペースで走ったにもかかわらず、摩耗は最小限。荒れも見られなかった。
