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マン島TTを愛し、マン島TTに集う人々に愛されたある日本人ライダーのこと

2013年、マン島TTに参戦していた日本人ライダー、松下ヨシナリがプラクティス中の事故により急逝。誰からも愛された彼の人柄を偲び、TTコースを見渡せる地にその名を刻んだベンチが設置されたのだった。

まっちゃんが大好きだったあの場所に・・・・・・

6月10日、金曜日にシニアTTが開催され、今年のマン島TTが幕を降ろしました。おそらく今、その地は普段の平穏を取り戻し、ゆったりとした時間が流れていることと思います。
レースウィーク中、実はひとつの小さなイベントがありました。それが「まっちゃんベンチ」の設置。果たしてそれがいかなるものだったのか。以下はそのプロジェクトの発起人であるカメラマン、山下剛さんのリリースです。どうぞご覧のください。

『松下ヨシナリメモリアルベンチがマン島に設置されたことについて』

2016年5月27日、英王室領・マン島のガスリーズメモリアルに、故・松下ヨシナリさんの名が刻まれたベンチが設置された。ガスリーズメモリアルはマン島の山間部を南北に貫く「マウンテンコース」の前半にあり、港町ラムジーとアイリッシュ海を一望できる場所。松下さんは2013年のマン島TTに参戦、プラクティス初日の走行中の事故により死去したライダーで、生前の松下さんがこの場所を気に入っていたことから、2年前よりメモリアルベンチの設置準備が進められてきた。
メモリアルベンチは、関係者有志による「まっちゃんベンチプロジェクト」によって進められ、製作と設置のための資金が募金によって集められた。現地でのベンチの製作と設置にあたっては、マン島在住で松下さんの親友でもあるピーター・カリスターさんが務め、ベンチ製作依頼から設置交渉まで奔走。ベンチは昨年春に完成し、設置希望場所であるガスリーズメモリアル付近の地主との交渉が続けられた結果、このたびの設置となった。奇遇ながら、ベンチが設置された日は松下さんの命日でもある。
ガスリーズメモリアルはマン島TTレースのコース沿いにあり、風光明媚な景色と沿道の白い石垣が特徴。マン島最大のワインディングルートに向けてスロットルを全開にしていくTTライダーたちの姿を、ベンチに腰かけながら見ることができる。今年のマン島TTレースでは「まっちゃんメモリアルベンチ」に腰かけてTTレースを観戦する人々の姿があり、松下さんが愛してやまなかったマン島への思いが受け継がれたようだった。

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「まっちゃんベンチ」の製作に多大なる尽力をしてくれたマンクス(マン島住民)のふたり。左は木工職人でベンチを製作してくれたデイビッドさん。製作だけでなく設置にあたっての基礎づくりも手がけた。右はピーター・カリスターさん。松下さんとも親友で、マン島TT以外にMotoGPの写真も撮影するフォトグラファーでもある。

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ガスリーズメモリアルに設置された「まっちゃんベンチ」。写真右に見える道路はラムジーとダグラスを結ぶ重要幹線道路A18「スネーフェル・マウンテン・ロード」で、マン島TTのコースでもある。

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まっちゃんベンチの銘には「In Memory of Yoshinari Matsushita 1969-2013 He Loved Motorcycle, He Loved TT, And All Of The Isle Of Man.」と刻んだ。そして松下が好んでヘルメットに描いていたパックマンが彩りを添えている。

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まっちゃんベンチに腰かけ、マン島TTプラクティスを観戦する人々。

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マン島TTシニアTT決勝日。フランスからバイクに乗ってやってきた3人組が、まっちゃんベンチに腰かけてレースを観戦した。

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まっちゃんベンチから見るマン島TTはこんな様子。走行しているライダーは、ジョン・マクギネス。

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シニアTT決勝、唯一の2ストロークマシン、Suter MMX500が走りゆく姿を、まっちゃんベンチから眺める。

メモリアルベンチについて
イギリスやマン島では故人を偲んでベンチを設置する習慣があり、公園や広場、沿道のそこかしこにメモリアルベンチを見つけることができる。ベンチには故人の名と生存年月、故人がどんな人物であったかが簡潔に記される。松下のマン島TT参戦に同行取材していたフリーライター・山下剛がこの習慣を気に入ったことから「まっちゃんベンチプロジェクト」が発起された。

ガスリーズメモリアルについて
マン島のA18「スネーフェル・マウンテン・ロード」にあり、TTコース・マイルストーンの26番と27番の中間地点にあたる。名称の由来は、マン島TT初期に活躍したライダー、ジミー・ガスリーの記念碑が建てられていることにちなんでいる。TTレース中はマーシャルポイントになる場所でもあるが、付近に駐車スペースがないため、観戦客は「グースネック」と呼ばれる観戦ポイントの駐車場から徒歩(約20分)で来る必要がある。

松下ヨシナリについて
1969年8月15日生まれ。二輪ジャーナリスト。レーシングライダー。二輪雑誌などへのインプレッション記事の寄稿や国内のアマチュアレースで活躍。2009年にマン島TT初参戦を果たし、2011年、2012年と参戦。2013年5月27日、マン島TT予選中の事故により死去。享年43。

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